恋してたら、息ができる――

NOVEL LOVE STORY

□忘れた恋のはじめ方□

忘れた恋のはじめ方 22-2

 1ヶ月後、描きあげたデザインを応募作品として提出した晶の元に、田所と英介が集まり、久しぶりに3人でお酒を飲んでいた。

「晶さん、どんなデザインを応募したのか見せてくださいよ」

「おまえ、アホか! 見せれるわけないだろ」

 そう言いながら英介が田所の頭を小さくコツっと叩いた。

「もう新堂さん、痛いです!」

「あいかわらず成長していないな、おまえは」

 そんなふたりのやりとりをみながら晶は懐かしいと思いながら、トイレのため席を外した。

「新堂さんは、見たくないんですか? 晶さんが久しぶりに描いたデザイン」

「そりゃーみたいよ」

「でしょ」

「だけど、今は見ない方がいい」

「どうしてですか?」

「完成してから見たほうが感動が倍になる」

「まぁ、たしかにそうですね」

 そう言いながら田所は諦めたのかお酒を飲んだ。

「でも本当にいいのかな」

「何が?」

「今回の件、全部、裕史さんが関わってるってこと、晶さんに話さなくても」

「そうだな」

「ったく、ふたりとも素直じゃないんだから」

「本当だな」

 英介は笑った。

「新堂さん、今がチャンスですよ」

「何が?」

「晶さんのことですよ」

「やっぱりおまえはなーんにも成長していないな」

「え?」

「だから、いつまでたっても女ができないんだよ」

「今は俺の話じゃなくて、晶さんの話です」

 田所はムッとした表情を見せた。

「じゃー俺、そろそろ帰るよ」

 そう言いながら英介は財布からお札を取り出しはじめた。

「え? もう帰るんですか?」

「あぁ。明日、早いんだ」

 そこへ晶が戻ってきた。

「晶さん、新堂さん、もう帰るみたいですよ」

「悪いな」

「いいえ」

「じゃーまた」

「おやすみなさい」

「おやすみ、お先―」

 そう言いながら新堂は帰っていき、晶は元の場所へ座った。

「俺もトイレ行ってきます」

「うん」

 そう言いながら田所は歩いていき、田所は携帯を鳴らしはじめ、その相手は裕史だった。

「おつかれ。どうした?」

「一緒に飲んでくれませんか?」

「もしかしてもう飲んでるのか?」

「はい。誰も飲んでくれる人いなくて」

「わかった。店、どこ?」

 席に戻ってきた田所が再び晶と話をしながらその20分後、店に裕史が入ってきたことを確認した田所は残っていた酒を飲み干した。

「晶さん、すみません、俺も帰りますね」

「だったら私もそろそろ帰ろうかな」

 晶がそう言いながら準備をはじめようとしたその時、目の前から歩いてきた裕史に気づいた。

「しばらく会っていないんですよね?」

「…え? ちょ、まさか」

 晶は田所の行動に驚き、晶がいることに裕史も少し驚いた表情を見せながら近づいてきた。

「田所」

「おつかれさまです。ってことで、あとはふたりでごゆっくり」

「おい! 田所!」

 急いで田所は帰っていき、田所が座っていた席にゆっくり腰をおろした裕史は晶と目が合った瞬間、一緒に微笑みあうのだった。

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